TOEIC900点の難易度は?偏差値や勉強時間から他資格と比較して950点ホルダーが解説

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TOEICで1つの壁とされる「900点」。

一体どのくらいの難易度なのか気になる方は多いと思います。

そこで、今回はTOEIC950点や宅建、簿記2級など多くの資格をとってきた私が、

  • 取得者の割合
  • スコアごとの偏差値
  • 900点取るまでに必要な勉強時間

という観点から900点の難易度について徹底解説します。

また英検など他の資格とも比較しつつ、TOEIC900点の評価のされ方実態について自身の経験も交えて紹介します。

本記事を読めば、TOEIC900点の難易度が分かり、安心して勉強に取り組めるようになるはずです

私のプロフィール
  • 学生時代にTOEIC950点を取得
  • 大手金融機関アセマネ部門に勤務
  • 簿記2級、宅建、証券アナリストを保有
目次

TOEIC900点の難易度:取得者の割合

2021年度試験の900点以上の割合は以下の通りです。

<引用>IIBC
  • 公開テスト・・・4.2%
  • IPテスト・・・1.9%

※公開テストとはTOEIC運営委員会が主催する公式の試験
※IPテストとは企業や学校が主催し、所属する社員や学生が受ける試験

2つの試験形式で合算すると(37,974人+19,029人)÷(900,684人+1,010,779人)=2.98%となります。

平均点は551点であることをふまえると、900点以上とるには平均点よりも350点高い点数を獲得し、全体の上位3%に入る必要があります。

TOEIC900点の難易度:英語系資格と比較

続いてTOEICと他の英語資格について、CEFRをもとに比較します。

CEFR(セファール)とは、外国語の習熟度や運用能力を測る国際的な指標のことです。

TOEICは「L&Rの点数+S&W点数×2.5倍」で評価

CEFRは、A1~C2の6つの等級で構成されています。

  • A1/A2レベルは「基礎段階の言語使用者」
  • B1/B2レベルは「自立した言語使用者」
  • C1/C2レベルは「熟達した言語使用者」

TOEIC(L&R)900点以上はCEFRでだいたいC1レベルです。(S&Wも9割程度取れる場合)

<引用>IIBC

リスニング・リーディング別に見ていくとリスニング490点以上リーディング455点以上がC1レベルに該当します。

CEFRでC1レベル同等のもの(TOEIC900点以上と同等のもの)は下記の通りです。

  • 英検1級
  • IELTS7.0以上
  • TOEFL 95以上

個人的には英語面接のある英検1級リスニングの難易度が高いTOEFLで95以上取る方が難しいという印象です。

TOEIC900点の難易度:偏差値

続いて偏差値という角度からは900点の難易度を紐解いていきます。

スコアごとの偏差値

続いてTOEIC900点の偏差値を算出します。

<引用>IIBC(第311回試験データ)

2022年12月18日午後に行われた公開テスト(第311回)のデータから各スコアの偏差値を計算すると下記のようになります。

スコア割合偏差値
990点73.1
900点上位3.6%67.9
800点上位14%62.0
700点上位30%56.1
600点上位50%50.2
500点上位70%44.4
400点上位86%38.5
偏差値は「(得点-平均スコア)÷標準偏差×10+50」で算出

このように900点の偏差値は67.9となります。

さらに、受験者層のレベルがやや下がるIPテストを加味すると、偏差値は70を超えてくるでしょう

※ちなみにTOEICのスコアは1問=5点で算出されません。他の受験者よりどのくらいできているか、つまり偏差値を反映するため、回によって大きく変わることがなく、どの回で計算しても900点は偏差値68前後になります。

またリスニングとリーディング別の偏差値はこちら↓

スコアリスニング
偏差値
リーディング
偏差値
49570.074.0
47567.671.9
45064.769.2
42561.766.5
40058.863.9
37555.861.2
35052.858.6
32549.955.9

LとRそれぞれ450点とって900点を目指すとすると、リスニングは偏差値64.7で済むのに対して、リーディングは69.2も必要です。

ですから、高得点を狙いに行くならリスニングに力を入れるのがおすすめです。

とらんきー
とらんきー

私自身も950点をとったときはL495、R455だったので、Lの方が稼ぎやすいと感じました!

偏差値を大学に換算

偏差値というと大学を思い浮かべる方も多いと思うので、各大学群の偏差値と比較してみました。

スコア偏差値大学群
900~99068~早慶~東京一工
800~89562~MARCH・関関同立
700~79556~成成明学獨國武
600~69550~日東駒専
500~59544~大東亜帝国
400~49539~Fラン

こちらは「早慶以上の学生なら900点以上とれて当然!」ということでは決してありませんのでご注意ください。

あくまで参考程度にご覧ください。

とらんきー
とらんきー

私の周りには慶應や東工大でTOEIC200点台の友人もいれば、駒澤で900点とっている友人もいます

他の資格の難易度に換算

「TOEICの難易度をほかの資格と換算したもので見たい」という方のために、

偏差値ごとに資格をまとめていた記事をもとにまとめました↓

TOEIC
スコア
偏差値近い偏差値の資格
990631級建築士/不動産鑑定士/医師
90059行政書士/国税専門官/米国公認会計士/日商簿記1級
80055マンション管理士/薬剤師/2級建築士
70052CFP/宅建/管理業務主任者
60050簿記2級/FP2級
<参考>偏差値で見る資格難易度ランキング

資格はそれぞれの個人の適正によるので、偏差値では判断できませんが、 多少なりとも参考になる点はあると思います。

個人的にはTOEIC900点が簿記1級米国公認会計士と並んでいることに違和感はありません。

上表とは違いますが、実際に宅建と簿記2級を取得した経験から、TOEIC800点は宅建と同等700点は簿記2級と同等と感じました。

【参考記事】丸の内金融マンが教える金融業界のおすすめ資格ランキングTOP5

TOEIC900点の難易度:必要な勉強時間

続いて900点取得にかかる勉強時間をデータと実体験から解説していきます。

スコアごとの必要な勉強時間

一般的にTOEICで100点アップさせるために必要な勉強時間は200時間から300時間と言われてます。

出典:Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6

上記は、オックスフォード大学出版局が出している表で、現在のスコア(Current score)と目標スコア(Target score)から、必要な勉強時間の目安を導き出せるようになっています。
 
例えば、現在ほぼ平均点である550点を取得している人は、950点を取得するのに1,050時間が必要と分かります。

  • 900点と950点にも難易度に差があること
  • 50点上げるのに100~150時間かかること

をふまえると、平均点から900点を目指すと実際には900時間くらい必要です。

私のスコア遍歴
  • 2017年12月:835点(R425点 L410点)
  • 2018年12月:890点(R445点 L445点)
  • 2019年4月:950点(R455点 L495点)

私の場合は835点→890点890点→950点に上げるのにそれぞれ約100時間かかりました。

比較的短時間でスコアを伸ばせたのは、点数を伸ばしやすいLパートに注力したことが影響していると思います。

Lパートに苦手意識があるという方はLに注力して、目安よりも短時間でスコアアップを目指しましょう(学習方法は後述)

【参考記事】私がTOEICリスニング満点を取るためにした勉強法

他の資格の難易度に換算

資格取得にために必要な時間をベースとして、TOEIC900点との難易度を比較していきます。

資格Timesによれば、代表的な資格取得に必要と言われている目安の時間は以下のとおりです。

  • 司法試験:3000~8000時間
  • 公認会計士:4000時間
  • 税理士:3000時間
  • 司法書士:3000時間
  • 弁理士:3000時間
  • 中小企業診断士:1000時間
  • 社労士:800〜1000時間
  • 行政書士:500〜1000時間
  • マンション管理士:500時間
  • 簿記2級:350~500時間
  • 宅建:300時間
  • FP2級:150~300時間

平均点から900点を取得するのに約900時間必要であることをふまえると、

同等の難易度の資格は「土地家屋調査士」「中小企業診断士」「社労士」「行政書士」となります。

一方で、すでに700点や800点を取れている人にとっては簿記2級や宅建、FP2級にかかる労力で900点は十分目指せるので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

TOEIC900点の実態と評価

TOEIC900点の実態

ここまでTOEIC900点の難易度を見てきて、難しいという印象を抱いた方は多いと思います。

そんな壁を乗り越えた人達の英語力はさぞ高いだろうと思われがちですが、筆者の実力は下記の通りです。

  • 日常会話がギリギリできるくらい
  • 洋画は字幕なしでは見られない
  • 公共機関の英語アナウンスは半分くらい理解できない
  • 洋楽の歌詞は聞き取れないし、意味も分からない

周りの900点とっている友人もこんな感じです。

TOEIC900点は、皆さんが想像しているよりも英語の実力が伴っていないのが事実。

そんなに高いハードルではないのです。

TOEIC900点の評価のされ方

「じゃあ、評価もされないんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、

ご安心ください。めっちゃ評価されます。

特に就職・転職市場での価値は非常高いです。

TOEIC900点と言うと、
じゃあ英語できるんだね!
うちも海外に力入れているから活かせるよ!」とあたかも英語ができる前提で面接が進みました。

このように能力を勘違いさせるものを錯覚資産と言います。

私自身、学生時代頑張ったこともなく、強みはありませんでしたが、TOEICのおかげで就活を有利に進めることができました!

また、TOEICのスコアを採用要件としている企業は増えており、900点以上あれば下記のような大企業の要件も余裕で満たせます。

会社名TOEICスコア部署
ソフトバンク730点一般
NTT東日本700点一般
野村ホールディングス860点グローバル社員
住友不動産800点一般
パナソニック860点国際広報

以上より、英語を話せるようにならなくても英語力が高いと評価されるTOEIC900点はコスパの良い資格であると言えます。

TOEIC900点を短時間で達成した方法

TOEIC900点を取ってコスパよくキャリアを有利に進めたい方は多いと思います。

ただ、勉強に900時間も時間をかけられる人は少ないでしょう。

そこで最後に私が275時間の勉強でTOEIC800点を取って、そこから950点まで伸ばした勉強をお伝えします。

①単語力・文法力の向上

英単語はL・Rパート両方で土台となる基礎力。
900点を取るには試験に出る単語は全て知っている状態が望ましいです。

また得点源であるPart5の30問の文法問題で満点近くを取れるように文法力の向上も欠かせません。

私が初受験から950点到達までずっと使用していたのが「金のフレーズ」と「でる1000問」です。

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商品名出る単特急金のフレーズ文法問題でる1000問
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Part 5で出題される文法事項を
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両方とも超王道ですが、知らない単語に出会わなくなり、Part5も安定して28~30問正解できるようになったので、迷ったらとりあえずこれで良いと思います!

【参考記事】TOEIC Part5の出題傾向を調査!9割とれる対策と時間配分を徹底解説

②リスニングで得点を稼ぐ意識

“スコアごとの偏差値”の章で触れた通り、一般的にリスニングの方が得点しやすいため、最短で900点をとるには以下のような「L>R」の得点配分がおすすめです。

おすすめの得点配分
  • L480 R420
  • L475 R425
  • L470 R430

※いずれもミス数15問、正答率92.5%程度

一方でリスニング力は一朝一夕では身に付かないので、次のような学習をコツコツ積み上げていきました。

  1. 媒体を問わず毎日英語を聞く
  2. 試験1か月前から毎日スクリプトを聞く
  3. 実戦形式で先読みスキルを磨く
  4. 復習は1.1~1.2倍速&シャドーイング
  5. 新しい問題を触れ続ける

中でも私はTOEICの問題のスクリプトを1.1~1.2倍の速さで聞く勉強が最も効果的と感じました。あえて高い負荷をかけて学習することで、本番ではかなりゆっくりに聞こえて、結果的に満点をとれたのでおすすめです。

その際使用していたのは1日約100円で4,000問の問題が解き放題のスタディサプリTOEICというアプリです。

  • たった3分で登録可能
  • 7日間使って気に入らなかったら、解約してお金を払う必要なし
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アプリからお申込みされた場合、通常月額3,278円ではなく3,700円となるので、ウェブページで申し込むようにしてください
⇒スタディサプリTOEICのウェブページへ

試験20回分も収録しているため、あらゆるストーリー展開をインプットでき、少し問題を聞いただけで今後の展開が読めるようになったのも良かったです。

解答スピードUP&時間配分の設定

TOEIC900点をとるにはRパートで全ての問題を解き切るのが不可欠です。

そのため以下を意識して、とにかく模試問題集を解きまくりました。

  • 自分に合った各Partの時間配分を決めること
  • 時間を意識した実践演習で解答スピードを上げること
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商品名新形式精選模試リーディング3新メガ模試1200問 VOL.2でる模試
リーディング700問
収録内容模試5回分(Rのみ)模試6回分(LとR両方)模試7回分(Rのみ)
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特徴本番より難易度がやや高く、解説が丁寧リスニングパートも収録されているが、解説なしリーディングの問題量が最も多いが、解説なし
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精選模試はVer1とVer2もあり
メガ模試はVol.1もあるが流通量が小

全て実際に使用しましたが、特におすすめなのがR・L両パートを収録しているメガ模試です。

安いうえに難易度が一番本番に近いので、時間配分を決めてタイムマネジメント力を養うのに最適ですよ!

TOEIC900点が近づく通信講座2選

ゆくゆくは900点を目指しているが、
今は600~700点前後の中級者の方は、まず800点から目指してみるのもいいでしょう。

独学だけでなく通信講座を併用することでより短期間のスコアアップを目指せます。

今回は自身の経験ももとに主要TOEIC対策講座15社から2つを厳選しているので参考にしてみてください。

1.スタディング

スタディングは全ての学習がオンラインで完結し、スマホやタブレットでスキマ時間を活用して効率的にスコアアップが狙えます。

充実したWeb教材はもちろん、学習レポート勉強仲間SNSなど学習ツールが豊富で、自身の学習の見える化や仲間から受ける刺激を通じて継続しやすい環境が整っています。

800点コースの定価は49,500円と少しお高めですが、無料体験で10%OFFクーポン、学生なら20%OFFとお得に受講できるキャンペーンも多いです。

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詳細記事:スタディングTOEIC講座の口コミ・評判

2.資格の大原

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詳細記事:資格の大原TOEIC講座の評判・口コミ

TOEIC900点の難易度:まとめ

TOEIC900点まとめ

  • 上位3%と難易度が高い
  • 英検1級/IELTS7.0/TOEFL95と同等の難易度
  • 平均点から目指すなら約900時間かかる
  • 実態に反して評価されるコスパの良い資格

TOEIC900点は確かに難易度は高いですが、評価はされやすく目指す価値は十分にあります。

これから勉強しようと思った方、勉強中の方は、私が800点取得から900点に到達するまでのロードマップについてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

参考記事:【大変?】TOEIC800点から900点到達までの軌跡!おすすめの対策と勉強時間まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

普段はTOEICを中心にキャリアに役立った資格について情報発信しているので、ぜひ他の記事もご覧ください!

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この記事を書いた人

金融機関の運用部門に勤める20代社会人です。

〇保有資格一覧
・TOEIC950点
・宅地建物取引士
・証券アナリスト
・簿記2級
・FP3級 など

このブログでは「資格で人生をより豊かに」をテーマに情報発信をしていきます。

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